ごまめの歯ぎしり「バカなふりしちゃいかん」

 課金もあるアプリをうっかりダウンロードしてしまい、慌てて消そうとしたけれど、消えないじゃないの!なんなのよ~!それで仕方なく携帯ショップへ行った。

 スタッフの男性はホイホイっとそのアプリを削除してみせた。そうしてついでにと、新しくルーターを置くと通信費が安くなるとか何とか、すらすらと説明を始めだした。ん~?面倒なことになった。そこで話を切り上げるための奥の手で「私、よくわからないので、家族に相談します」なんて言っちゃったんだな。するとその男性、「今度ご主人と来てください」と、のたもうた。あんた(私よ!)じゃ話にならんってことなんだろうな。バカなふりして墓穴掘りました。そりゃ、アプリの削除くらいでSOSだしたわけで、バカっぽいと言えばそうなのだけれど。

でも、なんで「ご主人」?ご主人でも理解できない人、たくさんいるよ、きっと。

 

婦人科検診、受けてきました。

 今年も勇気をふりしぼり、婦人科検診を受けてきた。マンモグラフィーではおっぱいを機械で挟んでつぶして撮影、次はジェルをぬるぬる塗ってエコー検査、締めは子宮の検査。器具を入れられれば痛いから、思わず体が逃げちゃうよ。

 全部で2万2千円也。結構いいお値段です。結果は3週間後に郵送で・・・。それまで心配しながら待つわけです。

 毎年思うのよ。「不安」になるためにお金を払っているのかなって。

ぴ~ひゃら、ぴ~ひゃら、そしてベルの鬼退治

 今日は7年前に死んでしまった、私の愛犬の話をします。とても個人的なことだけれど、でも、一回形にしなきゃ落ち着かないのです。

 

「ぴ~ひゃら、ぴ~ひゃら」

 ある日、ベルがすとんと腰を抜かした。その日からベルはだんだん動けなくなり、やがて首が曲がった。私の小犬は年を取ってしまったのだ。

 暖かな秋の日、首が曲がったベルを抱いて公園のベンチに腰掛けた。穏やかな日差しを浴びながら、ベルは体を私に預け、じっとしていた。

 その時、通りの向こうから秋祭りの笛の音が近づいて来た。

 ぴ~ひゃら、ぴ~ひゃら。

 動けなくなった小犬を抱きながら、私はいっそう切なくなった。

 ぴ~ひゃら、ぴ~ひゃらはいつまでも続いた。

 

「ベルの鬼退治」

 とうとうベルが死んだ。斎場に問い合わせると、お棺は2サイズあると言う。あんなに悲しんだのに、安いほうのお棺にベルを入れたくなる。でも、ぎりぎりで無理。

 次の日、私は冷たく固くなったベルを斎場へ運んだ。受付の女性にベルを預けると、しばらく待たされた。きれいな斎場で、花壇の花なんて、ぼ~っと眺めていたら、「準備ができました」と声をかけられた。

 斎場の奥に火葬炉があり、ベルは炉の前の台車に押せられていた。ベルは白い死に装束で、手には数珠、お腹に刀まで乗せられていた。刀はあの世に行くとき、鬼と戦うためのもの。

 あんな小さなお手てで、鬼と戦えるわけないじゃないの。私は、「ベルちゃん、鬼がいたら逃げなさいね」と、心の中で言った。

 火葬係の男性に「首輪を取ってもらえますか?燃えにくいので」と言われ、仕方なく外す。あの世で迷子にならないために着けておいたのだけれど。

 係の男性は、丁寧にお悔やみを言ってくれた。わんこのお葬式です。私ったら、つい、本気かな?なんて思ってしまった。

 男性は、うす紫のラルフローレンのシャツを着ていた。うす紫はお葬式だからよね、多分。それにしてもラルフです。お給料いいのだな、なんて、関係のないことばかり考える。

 火葬が終わった。

 ベルの骨は細くて、魚の骨みたい。私はたくさん拾って、骨壺に入れた。

 

サガコの告白

 私、じゃがいもが苦手です。土のにおいがするし、お腹にたまるから。

 母もじゃがいもが苦手で「戦時中食べ過ぎたから」と言っていたな。娘としては、そんな言葉はあまり信じていない。じゃがいもが苦手な理由を戦争にすれば皆が簡単に納得するから、そう言ったのだ、多分ね。

 そういうわけで、私はじゃがいものコロッケを食べずに成長した。カレーも自分のお皿にはじゃがいもを入れないことにしている。

 世の中、じゃがいも好きが人が多くて、じゃがいもが好きでないことをカミングアウトすると「え~っ!!」なんて驚くんだよ。つまり・・・今日の告白は勇気がちょっぴり勇気が必要だったってこと。

(ときどき作る「じゃがいもぱん」。ポクポクのじゃがいもを入れたら、あら不思議、もちもちのぱんになります。)

あの子はどこから来たの?

 以前、我が家には茶色いプードルがいた。当時、茶色いプードルは珍しく、知らないおじさんに「戦時中、茶色い犬を食ったもんだよ」などと言われたりした。

 ありにチクリとやられたくらいで、部屋の隅から出てこない、気の弱い子だった。

 亡くなった後、あの子はどこから来たのか、どんなめぐりあわせで私のところに来てくれたのか知りたくなった。

 そこで、母が売れ残っていた4か月のプードルを買ったと言う、ペットショップに行ってみた。

 オーナーの女性は16年前のことはよくわからないらしかった。そして、随分長生きだったのですねと言った。

 緑色の小さなかわいい店だった。

               

 

  (この子は4人兄弟の末っ子。3匹のお姉ちゃんたち、元気にしているかな。)

 

 

さよなら、さよなら

 こんにちは。まずは、今週のぱん。なごりの夏の「トマトぱん」。冷凍庫にトマトを冷凍したものが残っていました。夏に大量に採れたトマトを冷凍したのだけれど、すっかり忘れていました。今回はこのトマトを使ってパンを作りました。(写真はまるで厚揚げみたいですが、ぱんですよ!)

「さよなら、さよなら」

 友人が遠くへ行ってしまった。彼女の親切は、すっかり私のツボにはまってしまった。だから行ってしまってとても寂しい。彼女にはがっかりさせられることがなかった。これまで友人が去っても、こんなに寂しく感じたことはない。

 数日前、思い切って彼女にラインした。慣れない土地でひとりぼっちでいるかもしれない。 

 返事はすぐに返ってきた。

 彼女はすでに新しい土地での生活のペースをつかみ、元気で過ごしているらしい。

 なんだ、そういうことなんだね。つまんないなと思った。

コンビニのハムレット

 コンビニにシュークリームを買いに行った。シュークリームを手に取り、レジに向かおうとしたが、ここで私は躊躇した。シュークリームひとつだけ買うのが恥ずかしいのだ。

 お金がないと思われるのが嫌なのか、ひとりテレビを見ながらシュークリームをぱくつく姿を想像されそうで嫌なのか。その両方かな。

そこで、必要もないのに何かと一緒に買おうとする。何かが主で、シュークリームはついでを装いたい。一緒に豆腐はどうか?昨日生協が持ってきたばかりだから却下。変な人だと思われないため、ここはスピードが大事。

 迷って迷って、結局市の指定ごみ袋を買うことにした。所要時間、30分。長すぎる。